これは衝撃(゚Д゚)じゃ!
ここまで感情移入できんとは!
コラ!メイベル!堪忍せい(#゚Д゚)!
メイベルは、くいしんぼうでちょっとふとめの、かわいいゴキブリのおんなの子。きれいずきなピーボディさんの家のれいぞうこの下で、ひっそりとくらしています。
ゴキブリに関する書籍・本を探していたら目に飛び込んできたポップな童話『かわいいゴキブリのおんなの子メイベルのぼうけん (世界傑作童話シリーズ)』の表紙裏に記載された主人公メイベルの紹介文。
( ´Д`)!?
ゴキブリが主人公の童話!?
しかもメス、じゃなくて女の子なの!?
いやぁ、これ設定に無理ありすぎでしょ!そうツッコんだあなた!もしあなたが大人ならその直感は正しいかもしれません・・・。
これは、まだゴキブリの恐ろしさを知らない小さな子どもに読み聞かせたい童話ですね。
正直、大人が読む童話には向かないと思います。
ゴキブリの素早しっこさ・逃げ足の早さに悔しい思いをしたことがる人には・・・。
ゴキブリの女の子が冒険の旅へ・・・
メイベルの住むお家は、キレイ好きなピーボディ夫妻のオシャレなキッチンが主な舞台。著者がアメリカ人なんで、多分アメリカが舞台(笑)。
メイベルはゴキブリらしく食べ物に貪欲で常に食い物を狙っている。うんうん、ゴキブリの性質をよく分かっている。※家屋害虫のゴキブリの性質。
友達・仲間のヘンリー(ノミ)との夫婦漫才のようなやりとりで様々なトラブルを乗り越えていく、青春・成長漫画のようでもある。
さらには、物語の途中で増えるハエのモーリスとの友情を超えたアドベンチャーも見応えのあるシーン、かもしれない・・・。
しかし、主人公がゴキブリなだけに出てくるキャラクターが害虫だらけで、不謹慎だが笑ってしまった。
ここまで感情移入のできない物語って本当に久しぶりかもしれない。どうしても敵対する存在の人間側に肩を持ってしまう。
しかし、救われるのはイラストの可愛さだろう。ピンクを基調にした表紙の中もポップ調・メルヘンチックなイラストが映える。
ここまでゴキブリを可愛らしく描けるって素晴らしい才能だと思います。リボンやブーツも履いちゃってるし。ちょっと頬も赤く火照ってるし(笑)。
文章だけだとかなり読みづらい内容を、イラストが柔らかいクッション材の役目を担ってうまく緩和しています。それでも抵抗ある人には厳しいかも。
ゴキブリが少ない地域(北海道とか?)とかゴキブリと接する機会が少ない人なら感情移入できるでしょうね。私は無理でした(笑)。
それでも、ピーボディの奥さんのちょっとイヤミッたらしい性格が嫌になる場面もあり、その時はメイベルを応援するようなこともありました。
また、ゴキブリが人間社会の関係に影響を与える描写は秀逸!これはよく考えられているなぁと感心しました。この著者、ゴキブリをよく観察しているなぁって。
さて、褒めているのか貶しているのか自分でも分からない紹介文になってしまいましたが、ゴキブリの絵本を描きたい!と思っている方にはオススメです!
イラストを担当した方のゴキブリの擬人化!?キャラクター化の能力に脱帽ですよ!次回作はノミのヘンリー、ハエのモーリス編もぜひ読んでみたいですね!