普段、日常生活の中で目にする”死”とは何なのだろうか。ゴキブリをテーマにしたブログ日記を開設して記事を書き始めてから、数々のゴキブリ(その他の害虫)の死体を目にしてきました。
ゴキブリホイホイ捕獲器の罠に掛かり絶命した死体、
自らの手で叩き殺したり踏み潰して駆除した死体、
道路で自動車に轢かれてグチャグチャになった死体。
また、それらの生を失った死肉を喰らう昆虫たち。アリ(蟻)、ウジ(蛆虫)、ヤスデなど生命を失った死が別の生き物の生命を支えているのだと知りました。
自然界での”死”は別の動物の”生”へと引き継がれる輪廻転生である。
ということを改めて考えさせられる本に出会ったのです。写真家・フォトグラファー宮崎学という人物が捉えた死。
”死”から目を背けずに向き合うことで”生”を感じられるのだ!
『死を食べる』。表紙の魚の目が読者に訴えかける。目を背けたくなるような動物たちの死にまっすぐにカメラのレンズを定めた渾身の写真集ではないでしょうか。
”死”を察知した”生”が、”死”に群がり、”死”を喰らうことで”生”を生きながらえさせる。
自然界の非情さと残酷さを克明に切り撮った本。唯一、省ける生き物があるとすれば、我々人間だけではないのか、生きることと死ぬことを考えさせられる、ページ数は少ないがどっしりと思い創りになっています。
そしてもう一冊。
もう一冊は『死 Death in Nature』。真っ白い雪に横たわるシカの遺体が”死”を物語る写真集です。ひとつの死が次の生へと繋がる過程をカメラで写真に収めた写真集。刺激の弱い方にはオススメできません。
これら2冊は子どもへの教育としても十分に活躍する内容になっていると思います。多くの大人が語らない、人生の社会の残酷さ、冷酷さを投げかけてくれる、そんな内容です。
生暖かい空間で育ったヒヨッコは、学生を卒業して弱肉強食の社会に出たらたちまち目をつけられて身ぐるみ剥がされてしまう。そんな厳しさを動物の死でもって教えられる。
生半可な気持ちでは最後のページまで辿りつけないでしょうが、ぜひ手にとって読んでみて欲しいです。芸能人のグラビア写真集なんかより、よっぽど刺激を受けること間違い無しです。