私は、読み終えた後、本を閉じて、そっと目を閉じて、物語の続きを頭の中で創り上げる作業に取り掛かりました。あぁ、あの地球一の嫌われ者達が、一番の強敵・天敵の人類と食卓を共にしている・・・。
「うわぁ!ゴキブリって絶対に諦めない不屈の精神を持った昆虫なんだねぇ!どんな逆境でもメゲない強い虫さんなんだねぇ!」
近い将来、保育園でゴキブリをテーマにした絵本の読み聞かせ会が当たり前の世の中になるかもしれません。
人間のように、昆虫だって生息する地域で特色があるのだろうか。なんて意味のないことを妄想してみたりしたんですよ。
例えば、このゴキブリえんそうかい (現代の創作幼年童話 (25))の主人公である大阪のゴキブリ「ゴキ」くんのように、関西に住む関西ゴキブリは陽気でポジティブ思考なのでしょうか。
さて、私は、また新たにゴキブリがテーマの童話を読みました。読みながら、自分でも書いてみようかとかんがえるけれど、どうしても良からぬ方向へと話が飛躍してしまうので自分でブレーキを掛けてしまう(汗)。
作家が日本人でも外国人でも共通しているのは、
ゴキブリ本人は人間と仲良くなりたいと思っているが、人間が異常なほどゴキブリを嫌っている
ということ。
しかし、本作に登場するゴキブリたちも、人間と仲良くなりたいという夢・目標に向かって死に物狂いの努力を積み重ねるのです。
嫌われ者の王様ゴキブリだって必死に懸命に生きている。貶され、叩かれ、踏み付けられながらも何度も立ち上がって子孫繁栄のためにどんなに罵られようとメゲない。
その姿を、この童話から勉強することができると思います。現代のなよっちい人間はゴキブリから学べることがたくさんあるはずだ!
童話『ゴキブリえんそうかい』から生きる力を学ぶ!
イラストだけを見るとゴキブリなのか、コオロギなのか、アリなのか判別がつかないんですけれど、まぁゴキブリを擬人化せずに可愛らしく描くなんてことほど難しいことはないと思います(笑)。
ま、内容のあらすじを簡単にすると、人間に好かれたいと奮闘するゴキブリたちの切磋琢磨する様子を描写した童話、なんです。ゴキブリの気持ちを代弁しているような本なんです。
読者・ターゲットには低学年を意識していて「ひらがな」文字が多いのですが、、ページ数が多いな・・・。もし自分が幼稚園、いや小学校低学年でも我慢強く聴いていられるかはちょいと疑問です。しかし、ハングル語ってすべてがこんな表記なんですよね。新聞が全てひらがなだったらと思うとゾッとします・・・。
冒頭の出だしからショッキングなことを口走る主人公のゴキくん。なんと、彼には彼女がいて名前を「ブリコ」という設定・・・。
う~ん、あのですね、ネーミングはかなり大事、だと思うんですよね・・・。
どんなに素晴らしいサービス・商品でもネーミングがダサければ全て台無しってなぐらいに名前は重要なんです・・・。
しかし、このネーミングセンスは、マーケティング能力を疑われても仕方ないかも・・・。
主人公がゴキ、その彼女・フィアンセがブリコ・・・(汗)。ま、とりあえずどうでもいいか(笑)。
本のタイトルが『ゴキブリ えんそうかい』とあるように、テーマはゴキブリたちの演奏会、ということです。
人間たちに嫌われるゴキブリを尻目に、美しい音を奏でるスズムシは大事に扱われる状況に対して、自分たちも音楽を勉強しよう!と一念発起して立ち上がるというサクセスストーリーなんです!
あれ?なんだか似たような設定の童話を紹介したような気がするな・・・。と私自身も感じました、そう近未来、ゴキブリと人間が仲良く暮らす日がやって来る。と似てるし(笑)。
人間に気に入られようとする方法が、自分たちも綺麗な音を出せるようにする、というもの。う~ん、誰でも思いつきそうな設定ですが、とりあえず応援することにしましょう・・・。
しかし、そう世の中は甘くありません。どうでしょう、ゴキブリが歌うと、ドラえもんのジャイアンのような殺人ミュージックになってしまうようです・・・。
しかし、それでもめげずに諦めないゴキブリたちは練習に練習を重ねて血反吐を吐くような猛特訓を繰り返すのです・・・。そして、
目の前に天敵のアシダカグモ登場(笑)!えーなんで(笑)?ここまで必死になって音楽を勉強していたら恐ろしいアシダカグモに出くわすなんて神様あんまりだ(笑)。
本書からは
- 人間・子供とゴキブリの友情
- 苦難・困難に立ち向かう勇気
- 創意工夫のアイデアの大事さ
が学べるような気がしました。ゴキブリが人間になるのではなく、人間をゴキブリに変えてしまおうという奇想天外な発想も好きですね。
実現が困難な目標でも、仲間たちと力を合わせて、自分一人では成し遂げられそうもない大きな壁を乗り越える!共感できる部分も学ぶことが出来ました。
ただし、この本を読んだからといってゴキブリが好きになる、ということはないと思います。万が一ですが、好きになる人も中にはいるかもしれないけれど。