突然ですが、みなさんへ質問です。
「プラナリア」
って聞いたことありますか?
テレビ番組で見たことがある人もいるのではないでしょうか?
ほら、ミミズみたいな生きもので、
切っても切っても分裂した個体が切断部分から再生していく不死身のような生きもの
ですよ。
プラナリア
プラナリアの再生能力は著しく、ナミウズムシの場合、前後に3つに切れば、頭部からは腹部以降が、尾部側からは頭部が、中央の断片からは前の切り口から頭部、後ろの切り口から尾部が再生される。
有性生殖と無性生殖をすることができる。 水質や水温などの生息環境が悪化すると、次第に腹部がくびれてきて自ら2つに分裂してしまう。
ある学者がメスを使い100を超える断片になるまで滅多切りにしたが、その全ての断片が再生し100を超えるプラナリアが再生したという逸話がある。プラナリアが再生できる栄養環境さえあれば可能であるとされる。
日本中の川の上流に生息しており、石や枯葉などの裏に張り付いている。主にカゲロウの幼虫などの水生昆虫を餌としている。アクアリウムなどではプラナリアが大発生し、害虫として嫌われている。
まぁなんていうか可愛らしい生き物ですよね、
今風に例えるとゆるキャラみたいな(笑)。
ウーパールーパー(懐かしい!?)みたいなね。
では、もうひとつ質問です。
「肉食プラナリア」
って聞いたことありますか?
チクタクチクタクチーン。はい紅綾
(;´∀`)うぅ、な、無いですよね?
実は、私は知りませんでした・・・。
当然、この耳で聞いたことも、この目で見たことも、ない。
そう考えていました。この瞬間・・・までは・・・(汗)。
小さくて黒い肉食エイリアンが足元で蠢いていた・・・
先日の蚊取り線香の燃えカス(灰)をナメクジ駆除に再利用してみよう!の記事をご覧になったでしょうか。
見事にナメクジ退治に失敗した私は、気を持ち直して再びナメクジを探し歩きました。
さっきのナメクジはたまたま強く逞しいナメクジだったんだ、そうに違いない。
ほかのナメクジでも試してみないと、まだ蚊取り線香の灰が無能だとは言えないんじゃないか、という微かな希望の光を携えてのリベンジ。
そして、庭の隅に放置された段ボール箱をひっくり返した瞬間でした。
あ!そうだそうだ、ナメクジ以外にもこんな奴がいたよなぁ、うんうん。ついでだから、こいつにも試してみよう(笑)!
その時の、私の視線の先にいた生き物がこちらです。
雑草に隠れてよく見えないですか?そうですか、では開けた場所まで這う彼をしばしの間、待つことにしましょう。
「よっこらせ、よっこらせぇ!とハァハァ、突然に空が明るくなったからビックリしちゃったよ。
早く暗くてジメジメした場所に移動しないとな。うんとこしょどっこいしょ!」
体を伸び縮みさせて移動するニューギニアヤリガタリクウズムシ
この黒いミミズのような生き物、私が幼少の頃から身近に存在した記憶があります。正式な名称は知りませんでした。
そうだ、良い機会だからとインターネットでこいつの情報を調べてみることにしました。すると、驚愕の事実が判明したのです・・・。
カタカタッ、カタンッ!(キーボードを叩く様子)
ふむふむ、外来生物、ん?・・・(汗)・・・。
ぎょえぇー!Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)えらいこっちゃ!!!
東京都の取り組み – 肉食プラナリア(ニューギニアヤリガタリクウズムシ)の侵入・拡散防止
東京都では、肉食プラナリア(ニューギニアヤリガタリクウズムシ)の侵入・拡散を防ぐため、関連機関と連携し、普及啓発の取り組みを行っています。
小笠原諸島には、外来種を除くと106種の陸産貝類(カタツムリの仲間)が生息しており、そのうち100種が固有種で天然記念物に指定されています。それぞれ独自の色や形、生活様式を備えており、生き物が進化して行く過程を表す、世界的にも大変貴重な存在です。
その貴重なカタツムリの仲間が父島では絶滅に瀕しています。この主な原因は外来種であるニューギニアヤリガタリクウズムシ(肉食性プラナリアの一種)による捕食が原因だと考えられています。
ニューギニアヤリガタリクウズムシの駆除は困難で1回侵入を許してしまうとたちまち広がってしまいカタツムリの仲間に大きな影響を及ぼします。幸いなことに小笠原諸島では父島以外にニューギニアヤリガタリクウズムシの侵入は現時点では確認されていません。
他にも、
陸生のウズムシ:最強の外来種?
さて今回の本題です。カタツムリを主に捕食するニューギニアヤリガタリクウズムシ(Platydemus manokwari)という種が知られています。数十年前に、ニューギニア島にてアフリカマイマイを捕食している行動を観察されたことをきっかけに、アフリカマイマイ防除のためにさまざまな地域に導入されることになってしまいました(参考:最大最悪の外来種)。https://d.hatena.ne.jp/naturalist2008/20100925/1285371090
最大最悪の外来種
ハワイでも雨上がりにはしばしばアフリカマイマイ(英語でGiant African Snail)に出会います。日本でも沖縄や小笠原では嫌と言うほど見る機会があるのですが、その他の地域の人には見慣れないカタツムリでしょう。広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)を体内に宿していることが多く、手で触れたまま物を食べたりすると危険でもあります(人の体内に線虫が入ると、好酸球性髄膜炎 [こうさんきゅうせいずいまんくえん] などを引き起こし死に至ることもある)。
ウィキペディア先生にもその恐ろしさが載っています。
ニューギニアヤリガタリクウズムシ
1960年代にインドネシア領西パプアの西イリアンジャヤ州(ニューギニア島)の首都マノクワリで最初に発見された。環境省指定特定外来生物。国際自然保護連合が作成した「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定。日本では1990年に沖縄本島南部で発見されたのに始まり、続いて1995年に小笠原諸島父島においても確認された。日本国内の導入経路は不明。
『はぁ(´Д`)!? に、に、にく、肉食!?
あの、ぷ、プラナリア・・・が、マジか。
にゅにゅ、ニューギニア、やや、ヤリガタリクウズ む、ムシ』?
なんと、ミミズが日に焼けて黒くなってちょっと間延びした奴だろうな、という私の安易な予想を遥かに超える恐ろしい生物でした・・・。
なんと、あのアフリカマイマイ退治・駆除用に持ち込まれた肉食性物だったとは・・・。そんな獰猛で恐ろしい生き物だったのか。
しかし、毒蛇のハブ対策に持ち込んだマングースでのハブ駆除がが見事に失敗したように、このニューギニアヤリガタリクウズムシの持ち込みもなんたるザマ・・・・。人間てホントに馬鹿な生き物。もうゴキブリを馬鹿にはできない・・・。
涙で目の前が滲んで見えにくくなっていましたが、奴はそんなの関係いないよ!という風に猛然と鼻歌を歌うように意気揚々と居場所を求めて突き進んでいました。
まるでルンルン気分でスキップするがごとく猪突猛進で突き進む極悪非道の外来生物・・・。
「どっかにカタツムリやミミズはいねぇがなぁ、美味しそうな獲物はどこがなぁルンルン」
私は意を決して奴との会話を試みました。ムンズっ!(掴んで拾い上げる様子)
「わわっ!なになに!?ん?に、人間かぁ!?人間がオイラに何のようなんだ?眩しいから降ろしてくれよ!」
「おい、ニューギニアヤリガタリクウズムシよ、お前は名前が長いから呼びづらい。今日からクロミミズに改名しろ。あと、なんでお前等はこの庭にいるんだ?いつからここに住んでるんだ?」
「し、知らねえよ(怒)!生まれた時からこの庭なんだぜ!オイラからすりゃお前ら人間のほうが後から住み着いたんじゃねえか(怒)!
それからクロミミズなんてダサい名前は絶対にヤダね!それならお前等人間は黄色猿だ!そうだ、イエローモンキーだ(笑)!」
「(#´∀`)プチーン・・・」
手袋の上で移動を試みるニューギニアヤリガタリクウズムシ
「なんだって!?お前等みたいな下等生物のほうが先に住んでいただと!?嘘をつくな(怒)!人間に嘘ついたら承知しないぞ(激怒)!」
「ひぃゴメンナサイ(驚)!でも事実なんすよ、オイラたち祖先?先祖?はだいぶ前からここで生まれ育っているから、それ以前の出自なんて知ってる奴はもう存在しないんすよ」
「くそう、しかし調べれば調べるほど恐ろしい生き物だってことだけが判明する・・。アフリカマイマイを食べてこいつら自身が広東住血線虫に寄生されて死んじまえばいいのに・・・。」
「ねぇもういいすか?いい加減にしてくださいよ。こっちはまだ今日の食事も済んでないんすから。ほら、早く地面に戻して!体が乾燥しちゃうじゃんかよ(怒)!」
あまりの突然の出来事にショックを隠せない私は、言われるがままに奴を地面に戻し、そして家の中に駈け出して屋内で点火中だった蚊取り線香を手に取りました。まだ火が点いていて熱い。
しかし、私の心の中に燃え盛る怒りのほうが数十倍、いや数百倍も熱い!!!奴をこのまま生かして逃がす訳にはいかない、そう、人類の未来のために、今この手で奴を始末しなければ・・・。
「あっつ!あつあつ(汗)!あちぃ~!!!!」
※熱々グルメレポートの様子を必死で伝えるお笑い芸人のように1人、庭で蚊取り線香と対峙して騒ぐオッサンの図を想像してお楽しみください。
ナメクジ駆除の時とは違い、怒りで震える手は、火が点いた状態の蚊取り線香からでも灰をもぎ取りぶぁさぁ!と振り掛ける!
「ん、あっつ!うぎゃ~熱ー!なにが起ってるんだ!?噴火?山が怒った!?ってグへぇ!体の所々がジューッ!ってなってるしアッツー(怒)!」
私はあえて点火部分の熱々の灰を奴に振り掛けました。我が家の敷地内の庭にこんな獰猛な外来生物が当たり前のように生息していたなんて・・・。ゴキブリと親友とか呑気なこと言ってる場合じゃないです・・・。鬼、まさしく、この写真を撮っている時の私は鬼そのものでした。
「ぐぎゃあぁ~!あっちぃー!死ぬー体が焼けるぅー!山の神よ、怒りを鎮めてくれたまえぇー!」
灰を振りかけられたニューギニアヤリガタリクウズムシ
奴の助けを乞う悲鳴にも眉ひとつ動かさずに無表情で灼熱の灰を振り掛ける私は鬼を超えて悪魔と化していました・・・。
「うぐぅ~熱い、この夜の終わりだ、そうか、恐竜たちもこんな地獄を味わって絶滅したのか・・・、オイラもそろそろ限界のようだぜ・・・」
灰を振りかけられたニューギニアヤリガタリクウズムシ
熱々の蚊取り線香の燃えカスで私自身の手も火傷を負うという危険な賭けでもあった今回の実験。
恐らく、灰自体に殺傷効果はなかったと思われますが、消火直後の灰であったためにその熱さで駆除できたのだろうと思われます。
「焼ける、からだ、が、燃えるように熱い・・・。
うぅ、意識が薄れて眠たい、それなのに孤独感だけがくっきりと大きく、これが、死なんだな」
蛇のように体をくねらせてもがくニューギニアヤリガタリクウズムシは徐々に動きが鈍くなり、そして次第に動かなくなり、絶命しました。恐ろしい侵略生物の最後は意外なほどあっけなかったです。
ニューギニアヤリガタリクウズムシの動画
人間に直接危害を加えるような危険はないと思われますが、これ以上の生息域の拡大を止めなければなりません。そのことを意識して私は今後を生きていきたいと思います。
『「異常気象」壊れ始めた日本列島 – 1m長の巨大な肉食生物』
『何かと思って記事をみたらコウガイビルのことか』『(笑)昔からおったがな。』
特定外来生物「世界の侵略的外来種ワースト100」
アフリカマイマイの天敵として各国で導入された。