害虫『ゴマダラカミキリ』との闘いが迫っている。柑橘系の果樹の木を荒らすテッポウムシを駆除せよ!

捕獲したゴマダラカミキリ

捕獲したゴマダラカミキリ

食害性害虫『ゴマダラカミキリ』が現れる季節が近づいている・・・(恐)。我が家で最も恐れられる害虫である。そう、ゴキブリ・蚊・ナメクジ・チャタテムシ・クモ・ムカデ、これら、そうそうたるメンバーを押し退け、恐怖のどん底に陥れる憎き木食い虫カミキリムシなのである。

カミキリムシの幼虫を俗称で『テッポウムシ』と呼ぶらしい。幼虫が樹木の中で穴を空けて過ごす際に、鉄砲の弾が打ち込まれたような丸い穴をしていることからそう名付けられたそうだ。そう、奴らはおそれを知らぬ暴走特急の特攻野郎なのである。農家からも嫌われているそうです。

で、なぜ我が家の家族が恐れているのかというと、庭に植えた果樹を食い荒らすからです。被害を受けた木は数知れず・・・。主に柑橘系が多いですね。匂い・香りを感知する器官が発達しているのでしょうか。金柑(キンカン)、ミカン、マンゴー、シークァーサー、パッションフルーツ、そしてバラ(薔薇)も被害に遭ったと思います。

もう本当に怖いですよ。私の住む地域ではゴマダラカミキリが本当に多い。というかそれ以外のカミキリムシを見掛けない。彼らが活動し始める時期は、毎朝、毎昼、毎夕と1日に3回は木々を歩いて回って目視でチェックするんです。肉体的にも精神的にもクタクタです。

幼虫を駆除する薬剤・殺虫剤はホームセンターで販売されていますが、私が欲しいのは成虫を捕殺したりする罠・トラップ機器、または寄せ付けない忌避剤・忌避トラップなんです。何年も前から探して情報も集めていますが、まだ開発されていないようです。つまり、人力で駆除する他に方法は無さそうです。

根本に穴を開けられる食害に遭い、無残に枯れた果樹(涙)

カミキリムシに囓られ穴だらけの果樹

カミキリムシに囓られ穴だらけの果樹

上の写真を撮影したのは去年2014年でした。今現在(2015年)、朽ち果てて倒れた跡が残っているだけです。柑橘系の果樹で、実が生る頃には甥っ子たちと一緒に果実を採ったものです。まだ小さな保育園生・幼稚園生を肩車して笑いながら自然と触れ合ったのを覚えています。

そんな思い出の詰まった果樹を、ゴマダラカミキリに食い荒らされ、駆逐されてしまった。残っているのは思い出だけ・・・。カミキリムシは自然界にとっては利益をもたらす益虫でもあるが、人間界、とりわけ農家さんにとっては天敵の害虫とも指定されているでしょう。

無論、それは一般の方にも存在するでしょう。私もその1人です。数少ない趣味の1つの庭いじり、果樹を植えて実がなり採って食べる喜びが幸せなんです。そんな慎ましい小さな楽しみを奪うゴマダラカミキリという昆虫なのです。もう、見過ごしたり、見逃したり、躊躇することはありません。真剣勝負です!

カミキリの被害に遭った枝木

カミキリの被害に遭った枝木

木皮を食べるだけなら許せます。しかし、幹に卵を産み付けて孵化した幼虫が木質部を食い荒らしながら成長すると樹木自体が死んでしまう。それが厄介なんですよね。

食害を受けた頃から果実が落ち始めた

食害を受けた頃から果実が落ち始めた

食害を受けた頃から果実の実りが悪くなり、ボトボト地面に落ち始めるようになった。幹の穴の発見が遅れ、カミキリムシ幼虫の駆除剤を散布・注入したけれど、時既に遅し・・・。ホームセンターで苗から購入し植え付けて実がなるまで育つのに数年を要するが、カミキリムシは容赦なく食い散らかしていく・・・。

住友化学園芸カミキリムシの幼虫退治

住友化学園芸カミキリムシの幼虫退治

シンクイムシ/テッポウムシの防除に!住友化学園芸カミキリムシの幼虫退治に!住友化学園芸 園…

カミキリムシ幼虫を駆除・退治する殺虫剤の注入が遅かった・・・。悔しい・・・。しかし、幼虫の穴を発見するよりも成虫を駆除する方法を編み出して欲しい。あ、そうすると幼虫駆除の商品が売れなくなるか・・・。ならば自分で編み出すしか無いのかなぁ・・・・。

幼虫発見の目印は木くず

幼虫発見の目印は木くず

成虫を発見したら卵を産められたと警戒する必要があります。注意をして調べてみると、根本に痕跡が残っているかもしれません。目印は『木くず』です。頑丈な大顎を備えた成虫がガリガリとカジって幹に傷を付け卵を生む際にできる痕跡です。探偵になったつもりで調査するのです。

草むらに潜んでいたゴマダラカミキリの成虫

草むらに潜んでいたゴマダラカミキリの成虫

なんとΣr(‘Д’n)、木くずを発見した近くの草むらで成虫を発見!即、捕獲!現行犯逮捕です。言い訳はさせないぞ!問答無用で実刑判決を食らわせてやる!頭に血が上っていたので力強く捕まえると、『キーキー』と音を立てて鳴く。これ、口から出している音ではなくて羽の付け根を擦り合わせている。私はダマされないぞ(怒)!

足をバタつかせるカミキリムシ

足をバタつかせるカミキリムシ

成虫を捕殺する方法は人それぞれ・十人十色です。足(靴)で踏み付けてストンピングする人、水に入れて溺死させる人、首をネジって即死させる人、それぞれ。私の場合は深い穴を掘って埋めたりします。生き埋めっちゃ一番、残虐で酷くない?という人、そうです、害虫駆除とはそういう行為なのです。

そんなわけで我が家ではゴマダラカミキリを恐れ嫌っているのです。が、あれ?私自身が子供の頃はカミキリムシってクワガタ・カブトムシと並ぶ昆虫だったのです。仮面ライダーみたいな顔で、格好良かった・・・。

昭和世代の男の子には、おもちゃ・お菓子と並ぶヒーロー

ゴマダラカミキリを素手で捕まえた様子

ゴマダラカミキリを素手で捕まえた様子

幼少の期間を昭和時代で過ごした私にとって、カミキリムシはお金と同等の価値を秘めた昆虫でした。クワガタ・カブトムシには劣るけれども、カナブン・バッタよりは格上、というミドルクラスの人気でした(※男子のみ)。裕福でなかった家庭で育った私は小遣いと似た価値を、カミキリムシに見付けたのです。

友達の間ではファミコン(任天堂ファミリーコンピュータ)が大流行の時期でした。スーパーマリオブラザーズ、ドラゴンクエスト、くにおくんシリーズ、グラディウスなどなど。また、当時は周辺にいくつもあった駄菓子屋(くじ引き屋)、ビックリマン、ドキドキ学園などのステッカー(シール)、ミニ四駆なども流行っていました。

テレビゲームに夢中になる少年

テレビゲームに夢中になる少年

どれも買ってもらえない、お小遣いも雀の涙、つまり自分の手持ち資金では入手が不可能。子供なりに考えに考え抜いて実行したのが、捕まえた昆虫との物々交換。「わらしべ長者」を知ったのはそのずっと後のこと。「カネがないならアタマを使え」が自分で考えた格言でした。

虫カゴいっぱいに捕まえた昆虫と、ファミコンで遊ぶ時間との交換。カナブン・カミキリだと30分、運良くクワガタなど人気昆虫を捕まえることができたなら、ファミコン本体とソフトカセットを借りることまで出来たんです。カミキリムシの場合、数時間はさせてもらえたのを覚えています。

冒険者のRPGは継続性が必要なので、主にシューティングゲームやアクションゲームで遊ぶことが出来ました。でも、私はリアル冒険を体験していたのです。つまり、山林や森へ虫を捕まえに行く自分は、さながらドラクエの勇者だったのです!

ゲームの主人公になりきるコスプレ

ゲームの主人公になりきるコスプレ

田舎の昆虫採集は冒険ゲームと似ています。蜂(ハチ)やアブ、蚊に刺されながら、ぬかるんだ泥道、急な斜面を這い上がったり、夕刻が迫ると暗闇にお化け・幽霊に怯えながら木々を突き進む。今振り返ってみると当時の私は勇者そのものではなかったか!知らず知らずのうちにレベルアップをしていたのです。

はぁ、書きながら幼少の頃の記憶を辿ってみると、子供の頃はカミキリムシに対して怒ったり憎んだりという感情は一切、ありませんでした。ところが今の自分ときたら・・・。これが大人の事情という暗黙の了解なのですね・・・。さぁ、そろそろ記事の内容も締めないと・・・。

カミキリムシの最大の防除方法はビニールハウス栽培!?

飼育容器の中のカミキリムシの死骸

飼育容器の中のカミキリムシの死骸

カミキリムシのオス(雄)って繁殖行動に物凄い執着するというのを、捕獲した成虫を虫カゴ(飼育容器)に放り込んで知った。見た目じゃ雌雄の判別が出来ないんだけれども、複数の成虫を1つの容器に入れると、バババッ!と1匹の背中に飛び乗りしがみつく個体が見られた。

成虫の生育期間って意外と短いらしく、子孫を残すためにオスがメスを発見するとこのような行動を取るらしい。これ、殺虫剤・駆除剤を開発してる企業さん、ぜひ参考にして下さい。メスのフェロモンを利用した捕獲器を発明して下さい。しないなら、私が作って特許を出願しちゃいますよ!?

息絶えたゴマダラカミキリ

息絶えたゴマダラカミキリ

成虫を捕まえても殺すのが躊躇するなら、虫かごに閉じ込めてカンカン照りの日向に2,3時間も置いておくと熱死します。上の写真は息絶えた、サイズの小さい、多分メスの成虫です。

捕獲用の虫アミ

捕獲用の虫アミ

樹上の高い場所に留まっている成虫は虫アミで捕獲することが多いです。他には、カミキリムシが飛ぶのが苦手・下手くそな習性を利用して、枝を豪快に振って地面に落としてから捕まえるというのも有効だと思います。黒字に白のマダラ模様で見つけにくい場合、樹の下で静かに耳を澄まして下さい。枝をかじる「カリッカリッ」という音が聞こえます。

成虫捕獲用の軍手ぶくろ

成虫捕獲用の軍手ぶくろ

ジャンプして捕まえられそうなら、軍手を二重に装着して鷲掴みにすると簡単に捕らえられます。強靭なアゴを持っているので素手だと危険です。慣れると、虫アミではたき落としてキャッチするなんてことも可能になります。

地上部分の太い幹をぐるぐる巻

地上部分の太い幹をぐるぐる巻

幼虫対策は自己流で写真のように、余った布や麻布をぐるぐる巻にして、砂利石を積んで、その上に土をかけています。しかし、これでも被害に遭うことがあります。親戚の伯父さんは、ビニールハウスで果樹を育て、幹の周辺を厚いゴムシートで覆っていました。それでも被害に遭うことがあるそうです。

私が知る限り、カミキリムシへの最大の防御は、ビニールハウス栽培に加えてビニールシートで幹を守る。露地栽培の場合は、もう諦めるしか無さそうですね・・・。農家の人達は本当に大変でしょうね。