今だからこそ!?いや、今見ても面白い映画だと最近気付いたんです。私が中学生ぐらいの頃にテレビで視聴したアメリカのSF映画「ゼイリブ」(They Live)。
当時は途中から見て気味が悪いな、という印象が強く、最後まで見なかったんですが、あの時の不快感というか嫌な汗をかく感じがゴキブリに抱いた印象と似ていたんです。
ず~っと、もう一度見てみたいな、大人になった今なら内容も理解できるだろう、と手に取り再生ボタンを押してみたら・・・めっちゃ面白かった(笑)!
中学生の頃に感じた恐怖は未知の生物に対する畏怖の念みたいなものだったけれど、今の自分だと
「このゴキブリ野郎どもめぶっ潰してやる!」
でしょうな!
ちょいと古い映画なので見たことがない人もいるでしょう。でも、超オススメです。嫌悪感というか気味悪いという印象を抱いたら、その感覚はまさにゴキブリに対するものと合致するはずです。
つまり、この映画のテーマが、1988年制作にもかかわらず、今現在の世界を取り巻く状況を表していると思うからです。
ウィキペディアから引用しましょう。
SF、ホラー、アクション映画であり、またブラック・コメディー映画でもあるこの作品には、1980年代の社会に蔓延した物質主義的思考や、エリート主義によりメディアを悪用し社会を専制的に支配していることに対する批判や警告が織り込まれている。
1980年代にかつてないほどに増大した通俗的な資本主義に対する、カーペンター監督の嫌悪感が表現されている。カーペンター監督はかつて次のようにコメントしたことがある。
「ふたたびテレビを見てすぐに気づいたことは、テレビ画面に映し出される映像は全て、我々に何かを売りつける意図のもとにデザインされているということです。映像はすべて我々に何かを買いたいという欲望を起こさせることを意図して作られているのです。彼ら(映像の作り手)がやりたいことと言えば、我々のお金を奪うことだけです」。
Wikipedia:https://goo.gl/LJlLxa
映画は製作者・監督の視聴者へ伝えたいテーマ・メッセージがあり、それを読み解きながら楽しんでみると面白いんです、当然、ゼイリブにも掲げられています。
世界を牛耳る人間の正体は宇宙人・エイリアンだった!?
あなたの街でも見かけませんか?町中の落書き(ラクガキ)、ノート買ってそこへ描けや(怒゚Д゚怒)!と怒鳴り散らしたくなるような迷惑物ですが、廃れた場所にはつきものですよね。
流れ者?の主人公ナダは寝泊まりの道具を抱え、職を求め街をさまよい歩く。どこもかしこも灰色だらけで暗く陰鬱なトーンで映しだされる。
通りがかった場所では黒人の神父?がラップ口調でリズミカルに聴衆にメッセージを投げかける。ああ、ヒップホップ誕生はこのようだったのか、と勝手に解釈したけどそう間違っていないのでは。
なんとか仕事にありついたナダ、筋肉隆々のムチムチ具合が肉体労働者の役にはピッタリですな、イヤイヤ、見るとこそこちゃうがな!と監督に怒られそうなことを書いてみる。
工事現場で知り得た仲間と共に、貧困層が生活する場所から高層ビル群を眺めて将来を憂うシーンは今でも共通する重い空気が感じられるのです。
人々の楽しみでもあるテレビ画面に突如、謎の男が登場する電波ジャック!TVの故障か!?一体全体何なんだ!?ここに監督が込めたテーマが凝縮されているのかもしれない。
なんだか陰謀論めいた内容だが、当時からこのようなテーマを訴える映画があったんだな。
困惑する人々の表情はそれぞれで、同じようにこの映画を視聴する私たちの表情にも見えてしまうのかも。
ナダは不審な行動を繰り返す教会に忍び込み怪しげな集団に出会う・・・
すると、突如、教会にパトカーの大群が押し寄せる!逃げて!逃げて~!
圧倒的な武力で貧困層の住人を追い払い蹴散らす警察官たち!何をしたというんだ!
灰燼と化した住まいで踏み荒らされた衣服を拾い集める人々、やりきれない怒りが延々と続く・・・
その傍らのテレビでは高級ブランドのCMが垂れ流されている・・・
もぬけの殻となった教会から見つけたサングラスをかけて街へ繰り出すナダが目にしたのは・・・
巨大な看板広告の裏に、サングラスを装着すると・・・
隠されてメッセージが現れたのだ(´゚д゚`)!ふ、服従せよだって!?
リゾートを満喫する水着美女の広告には・・・
産めよ増やせよという戦時中にも似たメッセージが隠されていたのだ(´゚д゚`)!?
街のいたるところに張り巡らされた上から目線の言葉にクラクラと目眩が・・・
スーツを着た白髪の紳士の素顔は・・・その正体は・・・
ギャ~(((;゚;Д;゚;)))!バケモノじゃ!怪物じゃ!エイリアンじゃ!
そして米ドル札を見てみると・・・
ギャ~(((;゚;Д;゚;)))!紙切れじゃ!このサングラス欲しい!かけて日本円札も見てみたい!
品の良さそうなセレブ風の女性の正体も・・・
サングラスを通して見てみると・・・
ギャ~(((;゚;Д;゚;)))!バケモノじゃ!怪物じゃ!エイリアンじゃ!
しかし!性格なんでしょうな、ナダは思ったことを口にする性分なんでしょうな、奴らに狙われる事態に発展してしまうのです(笑)!
ナダの周囲にはありとあらゆる場所にエイリアンが潜んでいたのだ!
そこへ登場するのは警察官!
たた、助けてお巡りさん!
え!?あ、あれ、、、止めてなにするのー!
ギャ~(((;゚;Д;゚;)))!最後の頼みの綱の警察官・ポリスメンまでバケモノ!お金と権力を持った連中はエイリアンだったのか!?
奴らの正体を見破ったナダは1人、勇敢にも闘いを挑むのだが・・・
労働現場で知り得た同階級に対し、時に力尽くで仲間を増やすナダは強引だな・・・(※偶然のシャレっぽくなった)
おいブラザー!サングラスを掛けてこの世の正体を見てみろよ!
しかし、多勢に無勢だと負けは見えている・・・と思ったけど真相を知るレジスタンスと行動を共に闘いを挑むのだ!
そこへ敵、つまり権力者たちが立ちはだかる!そして巨大な権力の前に次々と命が奪われていく・・・
闘いの末に世界の裏側に潜入したナダは、この世の仕組みを牛耳る連中に対峙するのだった。
反抗期だった思春期の頃にしか口にしなかったセリフがここまで似合うナダ、カッコ良く、、、はないけど(無鉄砲過ぎるよ)時代を象徴してるね。
オスカーの受賞で人種差別が?今に通じるようなメッセージも含まれているのかは見る人の判断ですが、ナダの行動により、徐々にエイリアンの正体が暴かれていく・・・
ハエのような?ゴキブリのような醜い顔をした連中がこれほど世界にはびこっていたのか!?
ベッドの上の金髪美女さえも・・・
おい、どうした?
子供の頃に見た記憶がある映画を大人になって見てみたら新たな発見がある、ということを知ったので、見たい映画リストが倍増しそうです(笑)。
あなたはもう、誰も信じられない―。
エイリアンによる地球侵略は誰にも知られず進行していた! エイリアンたちの正体を判別できる特殊なサングラスを偶然手に入れた主人公は、レジスタンス運動に参加する事になるのだった。